ブルースターを育てた意外なきっかけと、初めて出会った頃
ブルースターのライトブルーの色は、暖色系の花が多いガーデニングの中で貴重です。
今はバイオの技術が発達し、青系の花が最近ではよく見かけるようになったが、それでも、薄めのライトブルーの花は全体には少ない。
それでいて春から秋にかけて咲き続けるブルースターの販売時期は春の一時だけです。切り花では通年で販売されているのにホムセンターや園芸店で見かけるのは一年の内わずかです。
ちまたで見かけることが少ない鉢植えのブルースターですが、実は意外と育てやすい植物です。都内での栽培は冬には葉が落ちて茎だけが残りますが、春には新芽が出て秋まで開花を繰り返していきます。
家のベランダでもブルースターを育てています。
個人的にこの花が好きという事もありますが、育てるきっかけがありました。
そのきっかけと、勤務していた花屋さんで初めてブルースターに出会った頃の思い出も含めて書きつづります。
ブルースターを育てるきっかけ
きっかけは散歩の途中で意外なところで見かけたことから。
意外なところというのは、駐車場とその隣家との隙間数センチぐらいから勢いよく芽を伸ばし花が咲き誇っているのを目撃。
ここで、切り花のブルースターをご存じの方は、せいぜい長くても50センチぐらいで販売されてますから、そんな感じのブルースターが鉢植えになっているイメージを連想すると思います。
ですが、違います!
地面の隙間から1メート近く伸びた大株のブルースターです。
今から4年前、アスファルトに舗装された駐車場と隣家のコンクリート塀とのわずか数センチの隙間から、ブルースターが生えていたのを見たのが始まりです。
こんな隙間から、よくぞこんな大株になったなと感心し、切り花で好きだったブルースターだったので自分でも育ててみたいという気がおこったわけです。
おそらくこのブルースターは最初は鉢植えで育て、そのこぼれ種がその隙間に落ちて根を張ってこんなに大きく育ったんだと思います。
ド根性ブルースターと言ってよいでしょう。
しかもこのブルースター咲いている期間が長いんです。昨年は暖冬の影響もあってこの4年の中でも最長で、12月もさることながら1月まで咲いていました。
さすがに1月は数輪が咲いた状態でしたが。
毎年ここのブルースターは4月から12月まで咲き続けています。バックの塀の輻射熱や駐車場のアスファルトが、ブルースターの株元や根を寒さを遮断しているからだと思います。
我が家の鉢植えのブルースターは、開花が5月上旬から夏の花は少なく最後は10月初旬ぐらいで咲き終わりです。
ベランダという環境もありますが、来年はもう少し開花期間を長くしたいと考えてます。
培養土や肥料の時期や工夫して根の生育がしやすいようにしていかないと、開花期間が長く望めないと思います。
ブルースターの生育は種から育てる
ブルースターの鉢植えは園芸店やホームセンターでの販売時期は4月頃ではないかと思いますが、タイミングが悪く一度も見かけていません。
鉢の仕入れの時もブルースターのセリは、はっきりとした記憶がないんですよね。都内最大の大田市場なので見かけているはずなんですが……。
なので、ブルースターを育てたいと思ったなら、鉢植えの出荷を待つより比較的手に入りやすい種を購入して、種から育ててることをおすすめします。
種をまくとほぼほゞ発芽します。
我が家のベランダのブルースターも種から育てましたから。
画像がブルースターの種が収まっているさや(鞘)になります。
この一鞘の中に、大きいと100近くのブルースターの種が詰まっています。
下の画像がブルースターの種になります。鞘がはじけるとタンポポの綿毛のように種が風に乗って流れていきます。
咲いた花のおよそ3割ぐらいが鞘になります。
なので相当数の種が取れます。
一鞘があれば、種はそれで充分間に合いますね。
ブルースターと出会ったのは1980年代の頃
ブルースターを初めて見たのは切り花です。
1980年代の中ごろと記憶しています。
まだそのころは花屋さんでも花の種類は少なく、海外からの輸入も検疫などの規制も厳しかったため、今みたいに豊富な種類や量ではなく、またバイオ技術が今みたいに普及されていませんでしたから、花の少ない初夏では貴重でした。
またライトブルーの色も当時は珍しく注目されてました。が、
水揚げ(出荷された切り花に水を吸い上げさせること)が悪く夏の暑さもあり花もちが悪く、しかもカットしたところから白い乳液が出て、手につくと痒く肌の弱い人などは炎症を起こすとんでもない花でした。
実は手指などに私自身も炎症を起こしていました。
なので、今いち人気は一部の都心にある生花店ぐらいにしか買われていなかったですね。
当時は大田市場などの中央卸売市場もなく、都内の地方卸売り市場に出荷され、まだ機械ぜりではなく買参人(花屋さん)は手ぜりです。
●ドスのきいた声で一喝!
当時まだ20代の私も買いに行き、海千山千の親父たちに交じって小さくなってセリに参加。何とか競り落としていました。
今でも思い出すのは、水揚げ・花もちの悪いブルースターがセリに上がった時に、誰にでも見向きもされず、セリ人から
「買ってくれよっ!」
とドスのきいたダミ声で懇願され、他の買参人の一癖も二癖もある親父たちからも
「おいっ、○○のところしか使う花屋がないんだから買ってやれよ!」
この一声で競り落とし、箱の中には100本以上のブルースターが入ってた記憶があります。たしか一箱全部で500円ぐらいだっと思います。
今だとブルースター等のほとんどの花は50本箱が多い。当時の市場には花類の場合100本200本箱で当たり前に出荷されていました。
そんなブルースターも白い乳液が出にくい品種や、水揚げ・水持ちの良い品種、花形がぷっくりした品種に切り替わっていますが、鉢植えに出荷されている品種はこのタイプではありません。
今はピュア―ブルーという品種が切り花では大半を占め、ブルー以外にも白やピンク色の品種が出回っています。
来年はもっと工夫し、色々とチャレンジしていきたいと思っています。